制作裏話 視界

 2012年11月、その作品は約2年ぶりの新作としてリリースされた。その名は『視界』…
ってカッコよく紹介してみました(笑)
この作品はインディーズレーベル『E.V.E.R』所属となって最初のシングルとしてリリース。
現在はそのレーベルもいろいろあって解散となってますが…いろんなスタッフに手伝って
もらって完成にこぎつけることが出来ました。これまでの作品とは比較にならない程サウンド面
は向上しています。

 2NDアルバムを発売した後の活動は、結構アンダー
グラウンドな活動でした。曲を作り、スタジオで練習
しながらライブを想定した歌い方やアレンジを学ん
だり、ライブを想定したノリのいい曲作りや、テーマ
や課題を持って取り組んだ時期でした。その中で、
いくつもの楽曲が生まれていった訳ですが、その中
から次回作として選ばれたのがこのシングル『視界』
の収録曲達です。本作はかなり長い期間をかけて
アレンジ、レコーディングを行い、またジャケットや
盤面にもかなり気を入れた入魂の一作となりました。
これまでの作品と違うのは、何と言ってもサウンド
です。ギターの音色、ドラムの音色はもちろんの事ですが、新レーベル『E.V.E.R』になりスタッフも
変わり、ピアノやストリングス、果ては効果音(風の音とか)、いわゆるサンプリングも取り入れて
います。そして何よりボーカルの方も今回は時間をかけて歌い直しや、その後のマスタリング作業にも
立ち会って音チェックしたりと・・・かなり気合の入った作品となっています。マスタリングについても、
音のバランス等抜群に良くなっています。前作までの反省点を踏まえて、じっくり腰を据えてやったのが
良かったと思います。まあ、前作や前々作を否定するつもりはありませんが、比較すると本作の出来栄え
は自分でいうのもなんですが会心の出来といえます。(いつも作品できる度に言っている気もするが 笑)
ジャケットは同じレーベル所属のAMIさんにデザイン頂きました。


○楽曲の解説

01.視界 -ココロノツバサ-

 この曲は、2009年くらいに作った曲ですね。ふと空を見上げた時に、「あ、空の曲を作ろう」と何を
とち狂ったのか知らないが思い立ったFLAYRE(笑)イントロから順番に作っていったと思います。この
曲は歌メロと詩を同時進行で、歌いながらコード進行を固めていったんですが、ギターソロの方はこれ
までになく試行錯誤して今の形になりました。結構ギターソロについてはアドリブ的にやっていた曲が
多かったんですが、この曲は歌メロと連動しているソロでもあったんで、そのままレコーディングで
再現しました。あとやっぱりキーが高い(笑)ただでさえ高いのに、ギターソロ明けのサビはまた1音
上げています。レコーディングも声張り上げてやらないと駄目だったので、きつかったなぁ・・・
(自業自得)あと、オープニングは当初パワーコードの刻みで始まる予定だったんですが・・・中年の
悪ノリってやつで、ライトハンドかましてやったぜ!!(笑)ところどころにひねりを入れつつも、
素直なロックナンバーに仕上がったこの曲。是非あなたのお気に入りの曲にしてください(^-^)

02.Loser's Cry

 これは『視界』の少し後、2010年の秋くらい?に作った曲です。なんかいろいろ怒りがたまってたん
でしょうね、当時の俺が(笑)王道のロックの曲もいいけど、こういうちょっと異色の、悪ノリした曲も
作らないといけないな、という使命感みたいなものに侵されていた時期が、僕にもありました(笑)
イントロのフレーズから、とりあえず曲だけ完成して、歌詞を考えていったんですが、やっぱり日ごろ
お上品な私は、言葉の使い方で結構悩みました・・(上品というのはウソです 笑)。原曲が出来た当初
はもっとのっぺりとした感じの、駄曲だったんですがね(T_T) 制作スタッフさんとの打ち合わせで、
かなりのノリノリなイカした感じに仕上がりました。曲のタイトルは直訳すれば「負け犬の遠吠え」って
事になります。バックサウンドはワウを使ったり、ブロックごとに音色を変えたりと、結構面倒くさい事
をやって頂いた制作の皆さん・・・僕と同じ変態音楽家の匂いがしますよ(笑)ボーカルのレコーディング
では、歌い方に気を使いました。今までの普通の歌い方ではなく、ちょっと軽いけどもボトムのしっかり
した歌い方ってやつを心がけたつもりです・・・わかりにくいか(笑)

03.残骸

 縁起でもないタイトルですいません(笑)この曲は『視界』と同じ時期に作った曲です。この曲は、
適当にギターをいじっていたらイントロのフレーズが出来たので、そこからコード進行を決め、作って
いきました。曲が完成して、詩をどうするか?と悩んだんですが、最終的には高校生の頃に書いた詩を
元にして、作っていきました。実は高校の音楽の授業の際に、宿題として「なんでもいいから曲を作って
こい」という無茶ぶりを先生にかまされ、超絶に暗い曲をつくったのが大元なんですね(笑)はっきり
言って、その当時の宿題として作った曲なんて聞けたもんじゃないので、闇に葬り去りたい黒歴史だった
んですよ・・・(笑)しかしながら、詩だけはかろうじて残っていたんです、ネタ帳に。今回この『残骸』
として、曲が先に出来た時、非常に暗い曲だったので、高校の黒歴史を思い出すはめになってしまいました
(笑)。歌詞を何とか曲に合わせる為、例のごとく大幅変更をしまして、今の形になったんですがサビの
メロディーラインと歌詞は非常に満足のいくものになっています。切ない感じが出せたと思います。
ギターソロの部分は、特に後半部分また新しいチャレンジをしたくなりまして、ボトルネックを使って
います。レコーディングの段階でこの部分が一番制作陣を悩ませた部分ではないでしょうか。サンプリング
の風の音や、ドアのギギギーッて鳴る音とか、すいませんでした、めんどくさい曲作って(笑)。
 この曲、タイトルは当初から『残骸』だったんですが、あまりにも強烈なタイトルだし、バ○チクにも
同名の曲があるので、別のタイトルにしようかと制作陣の皆と話していたんですけどね・・・他にいい
タイトルが思いつきませんでした。ボーカルのレコーディングでは、Aメロの低音、サビの高音とうまく
歌い分けられたのと、ヴィフラートの使い方にも気をつけてやりました。録り終わった後の手ごたえが
良かったので、この曲も是非聞いて何かを感じてもらえたら嬉しいです。

4.『tiny angel(type2)』

 この曲は、1STアルバムの1曲目の楽曲を、シングルを発表するにあたりリニューアルしたものです。
一番苦労した(いや、制作陣にさせた)のは、やはりイントロのストリングス部分ですね。この曲に
ついてはもうとにかく聞いてみて違いを知ってくださいとしか言いようがないんですが、作曲した側の
苦労した点は、もともと長い曲だったので、どの部分の歌詞を削るか、どう繋げるか?っていう所ですね。
全体的にはサウンド、ボーカルの面で劇的に進化しております。まあ、1STアルバムから3年も経って
いるので当たり前なんですがね(笑)マスタリング段階では、Aメロ、サビでのドラムの音の強弱も
調整して頂いて・・・そんな作業を目の当たりにすると、今更ながらミキシングの技術ってのはすげえ
な~と、感心してしまいます。

 

まとめます。

本作は、4曲入りのシングルとして約2年の歳月を空けてリリースとなったものです。ここにきて、
しっかりしたサウンドと安定したボーカルで満足のいく作品にする事が出来たのはひとえに制作陣の
技術力の高さ、面倒な曲の編集に負けない根気のたまものだと思います。もちろん、自分自身のボーカル
の力がアップした事もありますが、やっぱり音作りは一人じゃできねーもんだなと痛感した作品でも
あります。本作以降もますますFLAYREの楽曲はクオリティがアップするとともに、面倒クサさ
も増していく事と思いますが(笑)、頑張っていきたいと思いますんで宜しくお願いします。

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